「うちの会社は副業禁止だから」と諦めている方は多いのではないでしょうか。しかし、そもそもなぜ会社は副業を禁止するのか、その理由を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。実は、厚生労働省が示す「モデル就業規則」では、2018年の改定で副業・兼業は原則容認される方針に変わっています。それにもかかわらず、多くの企業が副業を禁止・制限しているのが現状です。

この記事では、会社が副業を禁止する本当の理由を法的な背景とともに解説し、副業禁止の会社に勤めながらでも取り組める対策について詳しくお伝えします。副業に興味があるものの会社のルールがネックになっている方にとって、前に進むためのヒントになるはずです。

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副業禁止の現状|モデル就業規則の変化

副業禁止の問題を理解するためには、まず国の方針がどう変化してきたかを知ることが重要です。政府は2018年を「副業・兼業の解禁元年」と位置づけ、働き方改革の一環として副業を推進してきました。

厚生労働省のモデル就業規則は、企業が就業規則を作成する際の参考として公開されているものです。このモデル就業規則が2018年1月に改定され、従来あった「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という文言が削除されました。代わりに「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という規定に変更されています。

副業に関する国の方針の変遷を以下にまとめました。

時期 動き 内容
2017年以前 モデル就業規則で副業を原則禁止 「許可なく他の業務に従事しないこと」と規定
2018年1月 モデル就業規則の改定 副業・兼業を原則容認に変更
2018年1月 副業・兼業の促進に関するガイドライン策定 企業・労働者向けの指針を公開
2020年9月 ガイドラインの改定 副業先との労働時間の通算ルール等を明確化
2022年7月 ガイドラインの再改定 副業・兼業の情報公開を推奨
An illustration showing the evolution of side job policies in Japan - from prohibition to acceptance

このように、国の方針としては副業は原則容認の方向に進んでいます。しかし現実には、副業を全面的に認めている企業はまだ一部にとどまっています。それではなぜ、企業は国の方針に反してまで副業を禁止するのでしょうか。次のセクションでその理由を詳しく見ていきます。

会社が副業を禁止する5つの理由

会社が副業を禁止する背景には、企業としての合理的な懸念が存在します。単に「従業員を束縛したい」というわけではなく、経営上のリスクを回避するための判断であることがほとんどです。

ただし、すべてのリスクがすべての副業に当てはまるわけではありません。副業の内容や取り組み方によってはリスクを最小限に抑えられるケースも多いため、会社側の懸念を正しく理解した上で対策を考えることが重要です。

会社が副業を嫌がる主な理由を以下に整理しました。

理由 会社側の懸念 具体的なリスク
情報漏洩のリスク 自社の機密情報が外部に流出する 技術情報、顧客データ、経営戦略等の漏洩
本業への支障 疲労や時間不足で業務パフォーマンスが低下 遅刻・欠勤・集中力の低下
競業避止義務 同業他社で働くことで利益が損なわれる 技術・ノウハウの流出、顧客の流出
企業イメージの毀損 副業内容によっては会社の信用に影響 反社会的な副業、品位を下げる行為
労務管理の複雑化 労働時間の通算など管理負担が増加 長時間労働のリスク、社会保険の手続き
An illustration of various concerns a company has about employee side jobs - information leak, fatig

これらの理由のうち、最も多くの企業が懸念しているのが「情報漏洩のリスク」と「本業への支障」です。特にIT企業やメーカーなど、独自の技術やノウハウを持つ企業では、競合他社への情報流出を強く警戒しています。

一方で、「情報漏洩」「競業避止」に該当しない副業であれば、会社側の懸念は大幅に軽減されます。たとえば、本業とまったく関係のないジャンルのブログ運営や、個人の趣味を活かしたハンドメイド販売などは、これらのリスクに該当しにくい副業と言えるでしょう。

副業禁止に法的根拠はあるのか?

「会社が副業を禁止しているなら従わなければならないのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。ここで重要なのは、法律上、会社員が副業をすること自体を禁止する法律は存在しないという点です。

日本国憲法第22条では「職業選択の自由」が保障されており、労働者がプライベートの時間をどう使うかは原則として自由です。就業規則で副業を禁止する定めがあったとしても、それが必ずしも法的に有効とは限りません。

副業に関する法的な論点を以下にまとめました。

論点 内容 ポイント
職業選択の自由 憲法第22条で保障 就業時間外の活動は原則自由
就業規則の効力 合理的な理由が必要 一律禁止は合理性を欠く可能性あり
懲戒処分の可否 過去の裁判例では限定的 本業に実害がなければ処分は困難
公務員の副業 法律で原則禁止 国家公務員法・地方公務員法で規定
競業避止義務 同業他社での副業は制限される場合あり 会社の利益を損なう場合は問題に

過去の裁判例を見ると、副業を理由とした懲戒解雇が認められたケースは、本業に具体的な支障が生じた場合や、競業避止義務に違反した場合に限られています。単に「就業規則で禁止されているから」という理由だけでは、重い処分は認められにくい傾向にあります。

ただし、これは「就業規則を無視して副業をしても問題ない」という意味ではありません。就業規則は労使間の約束事であり、違反すれば信頼関係の毀損につながります。副業を始める際には、可能であれば会社に相談・申請するのが最も安全な方法です。

正社員としての副業の取り組み方については、正社員の副業ガイドも参考にしてください。

副業がバレるとどうなる?実際のリスク

副業禁止の会社で副業をしていることがバレた場合、どのようなリスクがあるのかも理解しておく必要があります。「最悪クビになるのでは」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、実際の処分は会社や状況によってさまざまです。

一般的に、副業が発覚した場合に想定される処分を以下にまとめました。

処分の種類 内容 該当しやすいケース
口頭注意 上司からの注意、副業の中止を求められる 本業に支障がなく、軽微な場合
始末書・厳重注意 書面での反省と改善の約束 就業規則違反が明確な場合
減給・降格 給与や役職の引き下げ 本業への影響が認められる場合
出勤停止 一定期間の出勤停止処分 重大な規律違反と判断された場合
懲戒解雇 最も重い処分 競業避止義務違反や重大な損害を与えた場合

実際には、口頭注意や始末書で済むケースが多いと言われていますが、会社の方針や副業の内容によっては厳しい処分が下される可能性もあります。特に競合他社での副業や、会社の信用を傷つけるような副業の場合は、重い処分を受けるリスクが高まります。

副業が発覚するきっかけとして最も多いのは、住民税の金額の変動です。副業で収入を得ると、住民税の金額が増加します。住民税が給与から天引き(特別徴収)されている場合、会社の経理担当者が住民税の増加に気づき、副業の存在が発覚するのです。

副業がバレるパターンと対策の詳細については、副業がバレるとどうなる?で詳しく解説しています。

副業禁止の会社でもできる対策

副業禁止の会社に勤めているからといって、収入を増やす方法がまったくないわけではありません。リスクを最小限に抑えながら副業に取り組むための対策は存在します。ただし、前提として就業規則を確認し、可能であれば会社への申告・相談を行うことを強くおすすめします。

まず取るべきステップは、自分の会社の就業規則を正確に把握することです。「副業禁止」と思い込んでいても、実際には「届出制」や「許可制」になっている場合もあります。

副業禁止の会社での対策を段階的にまとめました。

ステップ 対策 ポイント
1. 就業規則の確認 副業に関する規定を正確に読み込む 「全面禁止」か「届出制・許可制」かを確認
2. 会社への相談 上司や人事に副業の意向を伝える 最近は柔軟に対応する企業も増えている
3. 副業の種類を選ぶ 本業と競合しない副業を選択する ブログ運営、投資、スキルシェア等
4. 住民税対策 確定申告で「普通徴収」を選択する 住民税の増加からバレるリスクを軽減
5. 本業に支障を出さない 副業は就業時間外、体調管理を徹底 本業のパフォーマンスを維持する
An illustration showing a person working on a laptop at home with a shield icon representing safe si

特に「副業の種類を選ぶ」点は重要です。会社が最も懸念する「情報漏洩」「競業」「本業への支障」に該当しにくい副業を選べば、仮に発覚しても大きな問題になりにくい傾向があります。

会社にバレにくく、かつ上記のリスクに該当しにくい副業としては、以下のようなものが挙げられます。

副業の種類 特徴 バレにくさ
ブログ・アフィリエイト 匿名運営可能、在宅で完結 高い
投資(株式・投資信託等) 資産運用は副業に該当しないケースが多い 非常に高い
フリマアプリでの不用品販売 不用品処分は副業とみなされにくい 高い
ハンドメイド販売 匿名で出品可能、趣味の延長 やや高い
スキルシェア ココナラ等でスキルを提供 やや高い

副業禁止の会社での具体的な対策については、副業禁止の会社でもできる副業とは?でさらに詳しく解説しています。

ブログ副業が副業禁止の会社員に向いている理由

副業禁止の会社に勤めている方にとって、ブログ運営は相性の良い副業のひとつです。その理由は、会社が懸念するリスクの多くを回避できる特性を持っているからです。

ブログ副業は匿名(ペンネーム)で運営できるため、会社に知られるリスクが低く、自宅で完結するため本業への物理的な影響もほぼありません。また、本業とまったく異なるジャンルでブログを運営すれば、競業避止義務に抵触する可能性も低いと言えます。

ブログ副業と他の副業を、副業禁止の会社員が取り組む上でのリスクという観点から比較してみましょう。

比較項目 ブログ副業 アルバイト クラウドソーシング
匿名性 高い(ペンネーム可) 低い(雇用契約が必要) 中程度
時間の自由度 高い(いつでも作業可能) 低い(シフトに拘束) 中程度(納期あり)
本業への影響 ほぼなし 体力的な負担あり 納期プレッシャーあり
競業リスク 低い(ジャンル選択可能) 内容による 内容による
収益の持続性 高い(ストック型) なし(労働型) なし(労働型)

ブログ運営のもうひとつの魅力は、ストック型の収益モデルである点です。一度公開した記事がアクセスを集め続ければ、その記事から継続的に広告収入やアフィリエイト収入を生み出すことが期待できます。働いていない時間にも収益が発生する可能性があるため、本業の就業時間に影響を与えずに収入を増やせる副業と言えるでしょう。

さらに、AIを活用すればブログ記事の作成を大幅に効率化できます。Blog Auto AIは、生成AIを使って記事の自動生成からスケジュール投稿まで対応してくれるツールです。WordPressを使わない独自システムで動作し、レンタルサーバーとドメイン、FTPソフトがあれば運用可能です。限られた時間の中でブログを運営したい会社員には、こうしたAIツールの活用がひとつの選択肢になるでしょう。

ブログで稼ぐ仕組みについて詳しく知りたい方は、ブログで稼ぐ仕組みを解説をご覧ください。

よくある質問

Q. 副業禁止の会社でブログを書いても大丈夫ですか?

ブログの運営自体は、趣味の範囲であれば副業に該当しないと判断されるケースが多いです。ただし、広告収入やアフィリエイト収入を得ている場合は副業とみなされる可能性があります。匿名で運営し、住民税を普通徴収にするなどの対策を取りつつ、できれば就業規則を確認した上で判断することをおすすめします。

Q. 公務員でも副業はできますか?

国家公務員は国家公務員法、地方公務員は地方公務員法により、営利企業への従事が原則禁止されています。民間企業の副業禁止とは異なり法的な拘束力があるため、違反すると懲戒処分の対象となります。ただし、近年は公務員の副業を一部認める動きも出ており、自治体によっては許可制で認められるケースもあります。

Q. 副業禁止の会社を辞めずに収入を増やす方法はありますか?

投資(株式、投資信託等)は副業に該当しないケースが多いため、資産運用という形で収入を増やす方法があります。また、ブログ運営やフリマアプリでの不用品販売など、会社に影響を与えにくい副業を選ぶことも一つの方法です。いずれの場合も、就業規則の確認と住民税対策は忘れずに行いましょう。

Q. 副業解禁の流れは今後も続きますか?

政府は引き続き副業・兼業を推進する方針です。厚生労働省のガイドラインは段階的に整備されており、副業を認める企業も増加傾向にあります。人材不足への対応や多様な働き方の実現という社会的なニーズを考えると、副業解禁の流れは今後も続く可能性が高いと考えられます。

まとめ

会社が副業を禁止する主な理由は、「情報漏洩のリスク」「本業への支障」「競業避止」「企業イメージの毀損」「労務管理の複雑化」の5つです。しかし、厚生労働省のモデル就業規則では副業は原則容認されており、法律的にも就業時間外の活動は原則自由です。

副業禁止の会社に勤めている方でも、会社の懸念に該当しにくい副業を選び、適切な対策を取ることで、リスクを抑えながら副業に取り組むことは可能です。特にブログ運営は、匿名で在宅完結、ストック型の収益モデルという点で、会社員の副業として相性が良いと言えるでしょう。

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